第1編 建物明渡請求における法的解釈
T. 建物の意義
1. はじめに
2. 問題の所在
3. 建物の一部にも借地借家法が適用されるか
4. 賃貸借と業務委託との区別
5. まとめ
U. 契約期間
1. 問題の所在
2. 契約期間における民法と借地借家法との差異
V. 建物賃貸借契約の終了原因
1. 問題の所在
2. 期間満了による終了
3. 解約の申入れによる終了
4. 契約の解除による終了
5. 建物の滅失
6. 破産
7. 当事者の死亡
8. 新型コロナウイルス感染症の流行により賃貸借契約は終了するか
W. 法定更新〜期間の定めがある建物賃貸借契約については
更新拒絶の通知が必要であること(借地借家法第26条)〜
1. 問題の所在
X. 解約の申入れ
1. 期間の定めがない建物賃貸借契約の解約の申入れ
2. 期間の定めがある建物賃貸借契約における期間内解約の特約は有効か
Y. 正当事由の具備〜更新拒絶の通知及び解約の申入れにつき
正当事由が必要であること(借地借家法第28条)〜
1. 問題の所在
2. 「建物の使用を必要とする事情」が主たる要素であること
3. 賃貸借に関する従前の経緯
4. 建物の利用状況
5. 建物の現況
6. 立退料等の提供
7. 耐震性不足の場合
8. まとめ
Z. 定期建物賃貸借契約(借地借家法第38条)
1. 問題の所在
2. 立法の経緯
3. 普通建物賃貸借契約との相違点
4. 要件
(1)書面による契約締結
(2)事前説明
(3)令和4年法改正
5. 終了通知
6. 期間満了後に賃借人が退去しない場合の対応
7. 定期建物賃貸借契約への切替えが制限される場合
8. 参考判例・裁判例
[. 一時使用目的(借地借家法第40条)
1. 問題の所在
2. 一時使用のために
3. 一時使用のための建物賃貸借であることが明らかな場合
4. 効果等
5. まとめ
\. 建物明渡請求権の行使における制限(弁護士法第72条)
1. 立法趣旨
2. 成立要件
3. 建物明渡交渉は「法律事件に関する法律事務」に該当する
4. 弁護士法第72条違反の効果
5. まとめ
]. 建物明渡請求にかかる法的手段
1. はじめに
2. 裁判所の関与がある制度
(1)調停手続
(2)仮処分手続
(3)明渡請求訴訟
(4)起訴前和解手続
3. 裁判所の関与がない制度
4. 各制度の比較
第2編 建物明渡交渉における留意点
T. 総論 〜建物明渡交渉の非容易性〜
1. はじめに
2. 法的制約の存在
3. 立退料の算定の非容易性
4. 移転先確保の非容易性
5. 不当な立退料の請求
6. まとめ
U. 建物明渡交渉を進める際の準備、事前手段
1. 建物明渡計画の策定における留意点
(1)正当事由、建物の明渡しを求める理由の構築
(2)交渉スケジュールの策定
(3)明渡条件の設定
@立退料の算定(移転に伴う実費等/借家権価格/移転先の内装費等/什器備品の費用/営業補償/税金/再開発利益/解雇予告手当相当分の人件費/運転資金)
A再入居の可否
B明渡合意後から建物明渡しまでの賃料等の取扱い
Cフリーレントの有無
D原状回復義務免除の程度
E移転先のあっせんの有無
(4)立退料の予算
@住居の場合
A事務所の場合
B店舗の場合
2. 建物明渡交渉開始の5年以上前から行なえること
(1)明渡交渉の難航が予想されるテナントには賃貸しない
(2)月額賃料の増額請求
(3)定期建物賃貸借契約への切替え
(4)更新条項の変更
(5)反社対応条項(反社会的勢力排除条項)の導入
3. 建物明渡交渉1年前に行なえること
(1)賃料未払いを理由とする建物賃貸借契約の解除
(2)無断転貸を理由とする建物賃貸借契約の解除
(3)用法遵守義務の違反を理由とする建物賃貸借契約の解除
4. 移転先の確保とテナントの情報収集
(1)移転先の確保
(2)テナントの情報収集
V. 建物明渡交渉における留意点
1. 交渉の当事者(サブリースの場合)
2. 更新拒絶の通知を送付する際の留意点
3. 明渡交渉は個別交渉か、団体交渉か、説明会開催の有無
4. 建物明渡交渉の交渉時間、担当者の人数等
5. 建物明渡交渉における態度、対応方法
6. 建物明渡理由を説明する際の留意点
7. 建物明渡交渉にて詰める内容
(1)建物賃貸借契約の合意解約日
(2)建物の明渡期限及びその猶予期間
(3)賃料相当損害金の取扱い、フリーレントの有無
(4)立退料の支払方法
(5)敷金、保証金の返還及びその返還時期
(6)再入居の可否
(7)明渡期限後から明渡完了までの使用損害金
(8)原状回復義務の免除及びその程度
(9)残置物の所有権放棄条項等
(10)守秘条項
8. 明渡条件を伝える際の留意点
9. 立退料を提示する際の留意点
10. 明渡条件に難色を示すテナントへの対応方法
11. 譲歩案を提示する際の留意点
12. 相手方から対案を引き出す
13. 移転先あっせんの際の留意点(高齢者対応を含む)
14. フリーレントの提案における留意点
15. 原状回復義務免除の際の留意点
16. 明渡しに応じるテナントから合意する
17. 明渡交渉の際の必要書類
18. 無理はしない 〜明渡請求訴訟を念頭に交渉する〜
19. テナントに対し嫌がらせと受け取られる恐れのあることは絶対にしない
20. 建物明渡しを確実にする方法
21. 非を追及された場合の対応方法
〜譲歩する場合とそうでない場合の見極め〜
22. 弁護士に委任する見極め、タイミング
23. 耐震診断の実施について
24.
社内対応について
25. 空き区画の活用について
W. 用途別の明渡交渉における留意点
1. 住居の場合
2. 事務所の場合
3. 店舗の場合
4. その他の用途
X. 用途別・段階別立退料の参考例
1. はじめに
2. 住居の場合
3. 事務所の場合
4. 店舗の場合
5. その他の用途
第3編 参考判例、裁判例等 用途別に14の実際の判例、裁判例を取り上げ、判例の要旨から勝訴判決を得るための対策とポイントを提示します
付録 必要書類
1. 建物賃貸借契約終了通知(内容証明)
2. 建物賃貸借契約終了通知
3. 建物明渡合意書
4. 建物明渡完了届・所有権放棄書
5. 解除通知書(賃料未払い)
6. 解除通知書(無断転貸、用法違反)
7. 建物明渡確認書
|