今般のコロナ禍によって不動産経営および投資環境が大きく変化しています。
本書のテーマである病院についても経営の悪化が懸念されていますが、2020年5月、政府は「新型コロナ緊急包括支援交付金」として2兆円規模の補正予算を閣議決定し、今後も医療分野に重点的に予算を配分することが想定されています。
また、病院アセットは、ほかのヘルスケアアセットと比較して投資規模が大きく、景気変動の影響を受けにくいという特性から、今後、長期コア投資の対象としてのポテンシャルが高まっていくものと思われます。実際、不動産ファンドによる投資をはじめ、大手デベロッパーによる開発、そして医療法人サイドにおいても後継者不足による第三者への事業承継(M&A)や病院建替えに伴う資金調達ニーズなどから、病院不動産を流動化する動きが顕在化しています。
しかしながら、病院の投資適格性を判断するには、その事業構造や事業特性、経営環境の変化を正しく理解しておく必要があり、オペレーショナルアセットのなかでも最も評価がむずかしいアセットタイプだといっても過言ではないでしょう。
本書では、大手アドバイザリーファームにて病院のリスク分析やオペレーター評価に精通した実務家が、病院を取り巻く事業環境の変化や病院アセットの投資適格性の判断・評価手法について、体系立てて解説いたします。
病院アセットへの投融資に関心をお持ちの不動産ファンド・金融関連の皆様、ならびに不動産流動化で資金調達を目指される医療法人の方々にご購読をお薦めいたします。
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